古物商許可 Vol.5 ~ 古物商の遵守事項 ~

古物営業法:遵守事項

第4回では、古物の区分について解説を致しました。

ここまできたら、後は申請書類に必要事項を記載し、必要書類を添えて最寄りの警察署に申請書類一式を提出します。
この際、手数料として19,000円が必要となりますので忘れずに持参しましょう。
また、申請が受理されましたら、許可が下りるまで40日間かかります。少し時間が掛かりますが、そのつもりでいましょう。

今回は、無事に許可が下りた後しなければならいことについて解説したいと思います。

古物商の許可を取得したものを以下では『古物商』と記載しています。
ご自身が古物商の許可を取得したものと想定し、以下どんな対応が必要なのか想像しながら読んでみてください。

古物商が遵守すべき事項

標識の掲示

古物商は、お客様から見えやすい場所に『標識』を掲示しなければなりません。
ここでいう『標識』とは、以下ようなもので、許可を受けていることがお店にきたお客様に一目で分かるようにするものです。

古物商 標識

本人確認

古物商が古物の買受け等を行う際に行う相手方の本人確認のことをいいます。
買受け等には、以下が含まれます。

いずれにおいても本人確認が必要なのは古物の入手、または委託用に預かる際に必要で売却等する際には不要であるということです。

  本人確認が必要な取引  
① 古物を買受ける場合
② 古物を交換する場合
③ 古物の売却又は交換の委託を受ける場合
本人確認の方法

本人確認の方法として、お店で買受ける等対面で行う方法とインターネットを通じて買受ける等遠隔で行う方法と大きく分けて2種類あります。

どちらの方法を使うかは、実際の取引の形態に合わせて選択頂ければ良いですが、どちらを選択するにしても本人確認方法は厳格に定まっていますので、注意が必要です。

ここでは対面の本人確認方法について解説したいと思います。

  対面での本人確認方法  
① 氏名、住所、職業、年齢を用紙に記載してもらう。
② ①で記載してもらった氏名、住所、年齢などが分かる免許証等の身分証明書をもって確認すること。

①については、お客様が古物を買い取ってもらう為に店舗に来訪された際に、その場で用紙に名前、住所、年齢、職業といった情報を記載してもらうことを意味しています。職業は会社員、個人事業主といった記載ではなく、可能な限り勤め先、または個人事業主の場合は屋号等を記載頂くことが望ましいです。

また、名前、住所、年齢、職業といった情報が記載された用紙を事前に準備してもらい、それを当日店舗で受領する方法もあります。どちらにしても記載内容について相違ない旨の記載にその場で署名を頂くことが重要となります。

②については、①で記載された情報について、免許証、保険証等を用いて情報が一致しているかどうかを確認するものとなります。単に漫然と確認をすればよいというものではなく、買取りの際の態度、古物の数量、状態等を鑑みて、相手の真偽を確認するものであるということを念頭において頂く必要があります。時には、職業欄に記載してもらった法人や屋号に電話等で確認するといった対応も必要です。

申告

古物商が古物営業を行うにあたり、「これ、盗品かな」と思うようなものが持ち込まれた場合、直ちに警察へ届け出る必要があります。

先の『本人確認の方法』でも記載しましたが、買取りを行う際の相手方の態度等を十分観察するということも、必要になってくると思います。

取引の記録義務

古物商が古物の取引を行う際、その取引内容を帳簿またはエクセル等といった電磁的記録に残す必要があります。
ここでいう古物の取引というのは、今回記載した『本人確認が必要な取引』に記載されている取引が対象となります。

また、帳簿に記載する内容としては以下です。

  取引の記録項目  
① 取引の年月日
② 古物の品目及び数量
③ 古物の特徴
④ 相手方の名前、住所、年齢、職業

また、帳簿は最終の記載をした日から3年間は営業所に保管する義務がありますので、ご注意ください。

管轄の警察署の職員は、古物商に対して現地調査を行うことができます。
現地調査に来られた場合、取引記録は必ずといっていいほど、確認が入りますので、適切に管理しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は古物商の許可を取得した後、守らなければならないことを解説致しました。

古物商許可を取得した後の対応の参考になさってください。