古物商許可 Vol.3 ~必要書類の種類~

古物営業法の手続き

前回は古物商許可が必要となる取引について確認しました。
今回からは具体的な古物商の手続きについて、確認していきたいと思います。

許可を受ける為の書類

古物営業を行うには、その許可を受ける必要がありますが、どこで許可を受けたら良いでしょうか。

実際は各都道府県の公安委員会に申請を行い許可を受けるのですが、実務の関係でその窓口は、リサイクルショップ等古物営業を行う最寄りの警察署となります。
必要書類を揃えた上で、最寄りの警察署に申請を行うこととなります。

法律上、許可を受けられない条件があり、この条件のことを『欠格要件』といいます。
例えば、欠格要件には、以下のものがあります。

  • 破産者であるもの
  • 住居が定まらないもの
  • 未成年者
  • 過去に古物商許可を取り消され、5年を経過しないもの

これ以外の要件も様々ありますし、上記記載も正確ではないのですが、まずはこのくらいの要件があるということを理解頂ければ問題ないと思います。
もっと詳しく知りたい方は、古物営業法 第4条に欠格要件の記載があります。

第1回目では、古物営業法の目的が中古市場において盗品の流通を防止する為の法律であることを解説しました。
その為、泥棒さんが古物営業を行っているとあまりよろしくないのです。

以上から欠格事由については、かなり厳格になっています。

必要書類について

必要書類の概要

ここからは申請するにあたって必要な書類について見ていきましょう。
警察署へ提出する申請書以外にも様々な書類を準備する必要があります。

古物営業を営む方が個人か、法人かで必要書類が変わってきますので、注意が必要です。

【個人の場合】
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
身分証明書
誓約書
略歴書
・URLの使用権限があることを疎明する資料

【法人の場合】
・法人の代表者・役員・営業所の管理者は、個人と同じ書類が必要
法人の定款
法人の登記事項証明書

必要書類の詳細

住民票の写し

本籍が記載された(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写しで、住民登録のある役所等で取得します。
マイナンバーは記載されていないことが求められています。

住民票の写しのことをよくコピーしたもので良いと思われる方がいらっしゃいますが、役所で発行された原本が必要なので、注意が必要です。

本籍が記載されている必要があるのは、次で説明する『身分証明書』が戸籍登録(本籍地)のある役所で発行される書類である為、許可の申請者と身分証明書に記載されている人物とを紐付ける用途に用いられます。

また、申請書類に記載される許可を受ける者を証する書類である為、申請書に記載する名前、住所その他の情報は住民票に記載の通りに記載されることが求められるようです。

住民票は申請書類の肝となる書類になるようですね。

身分証明書

戸籍登録(本籍地)のある役所にて発行できる書類で、破産者ではないことを証明するものです。
住民登録と戸籍登録の役所が異なる方は、住民登録のある役所では発行することができません。
戸籍登録のある役所が遠方にあるように出向いて取得できない場合は、郵送で取得申請する必要があります。

余談ですが、法改正前は、破産者でないことを証明するには法務局でも同様の書類を取得する必要がありました。
現在は、この身分証明書を提出するだけで済むようになりましたので、少しだけですが、手続きが楽になっています。

誓約書

法で定める『欠格要件』に該当しないことを誓約する書類です。
各都道府県警察のホームページに書式がありますので、この書式を使用します。

略歴書

直近過去5年間において自身の職歴等の経歴を記載する書類です。
誓約書同様に専用の書式がありますので、誓約書同様警察のホームページからダウンロードしておきましょう。

誓約書の記載の注意点としては、例えば働き始めたのが約4年9ヶ月前である場合、その働き始めたところから略歴書を記載すると、記載期間が『直近過去5年間』に満たない為、要件を満たさないことになります。申請日(申請予定日)から5年以上の期間を記載するよう注意しましょう。

URLの使用権限があることを疎明する資料

ホームページを使って古物営業を行う場合、自身が該当のドメインを使用していることを証明する書類です。

ドメインを取得した事業者から証明書を発行してもらうか、該当ドメイン名と自身の名前が記載されている例えば請求書とかそういった書類があれば良いようです。
要は、該当のドメインについて誰が使っているか、というのをはっきりと分かる書類を出せば良いということです。

法人の定款

法人の場合に求められる書類です。
定款は、その法人がどのような事業を行うかを記載しますので、当然古物営業を行う旨の記載が必要となります。
その為、定款に古物営業に関する事項の記載が無い場合は、定款変更を行う必要があります。

登記事項証明書

法人の場合に求められる書類です。
当該法人の役員全員の住民票・身分証明書・誓約書・略歴書を提出する必要がある為、対象となる役員を確認する為に提出が必要となる者です。
役員が多くなると必要書類も多くなり処理が煩雑になるので、注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、欠格要件から必要書類について、簡単ですが解説を致しました。
ひとつひとつの書類はさして難しいものではないのですが、複数集まると処理が煩雑になります。
ひとつひとつ丁寧に処理することが重要です。

処理が大変だなーと思われた場合は、お近くの行政書士又は弊所にご相談下さい。
弊所にご相談頂けましたら丁寧に回答致します。