古物商許可Vol.8 法人の必要書類・定款ってなに?

法人で古物商許可を取得する際に必要となる書類のひとつに『法人の定款』があります。
これはどういったものを用意すればよいのでしょうか。

この記事を読むことにより、『定款』を準備するにあたってどういった対応が必要なのかが分かるようになります。

定款とは

『定款』とは、株式会社など法人を作成する際にその会社の根本的な規則をまとめた書類のことをいいます。
定款は、会社の本店及び支店にそれぞれ備え付けておかなければなりません。(会社法 第31条)

定款をそのまま警察署に提出してしまうと、本店又は支店に備え付けておく書類がなくなってしまう為、その『写し』を提出することになります。

よく法務局で取得可能な『登記事項証明書』と勘違いされるケースもありますが、古物商許可取得の場合、『登記事項証明書』も提出書類として名を連ねていますので、ご安心?下さい。

定款が必要なわけ

定款は先にも記載したとおり、その会社の根本的な規則をまとめたものです。
現在は、古物営業法施行規則で提出が必要な書類として定められていますが、法改正以前ははっきりと提出書類として定められていませんでした。その為、警察署によっては、定款の提出を不要としていたところもあります。

会社の事業を行う場合は、定款の目的にその定めをおかなくてはなりません。(会社法 第27条)
古物営業に掛かる事業を行う場合も同様に定款の目的に記載しなければならないのです。

定款が必要書類として定められる前、警察が定款を必要書類として提出を求める根拠は、この会社法第27条 の定めの通りにしているかどうかを確認する為なのです。

現在は、法令で会社の定款は提出書類として定められていますが、定款に古物営業を行う旨の記載が必要となり、定款の目的に古物営業に関する記載がない場合は、定款変更が必要となることに注意が必要です。

その『定款』って正しいの?

定款の目的に古物営業を行うことの記載が必要なことがわかったけど、定款にその旨を記載した後どうすれば良いのでしょうか。
コピー機で定款をコピーする?

そのやり方もありといえばありなのですが、その定款は正式な書類ですか?というのが問われることになります。
正式な手続きを経て定款の変更もしていないのに、会社のいち担当者が勝手に書き換えたのでは?というような疑念を持たれてしまうかもしれません。

正しい書類と認めて貰うにはどうしたら良いでしょうか。
その方法として、『原本証明』というやり方があります。

原本証明とは

『原本証明』というのは、文字通り、原本(と相違ないことを)証明するものです。
どうやってか。
その会社に証明(保証)をしてもらうことです。

原本証明とは定款の余白に以下のように赤字で記載を行い、会社の代表印等正式な印鑑で押印して、原本と同じであることを証明(保証)します。
赤字で記載することを『朱書』といいます。

  原本証明の記載方法  
この定款の写しは、原本と相違ないことを証明する。
令和5年1月21日
大阪府大阪市○○区○○3丁目xx番地△号
株式会社○○
〇〇〇〇(代表者氏名) 印

 

このようにして用意した『定款の写し』を他の申請書類と合わせて、警察署に提出します。

『定款』の用意は定款変更を伴う為早めに準備しましょう

以上のように『定款』の説明から『定款の写し』がどういったものなのか、また、『定款の写し』を準備するにはどういった手続きが必要なのかをみてきました。

分かるようでよくわからないのがこの定款でしたが、これで少しはスッキリしましたでしょうか。
定款変更は会社によっては結構大変な作業だったりしますので、古物商許可を取得するとなりましたら、早めに準備を行うことが重要ですね。

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